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2017年04月13日

悩ましいリフォーム事情、良い物件選び。

悩ましいリフォーム事情、良い物件選び。

建物には物理的なものと法律的なものが内在しています。
「物理的」なものは実際の工事により実現するもので実体があります。
「法律的」なものは実体がありませんが、書類が残されます。

施工業者は物理的なものを得意とし、法律的なものは設計事務所が得意としています。

「物理的」にできるのと「法律的」にできる意味合いは誰に聞くかによって答えが異なることに注意する必要があります。答えはどちらも確認する必要があるということです。

しかし、経験や資格試験からお互いの領域の理解度によって答えられる場合もあります。一番怖いのが他の領域に無知な場合です。

どの部分が法律的かはその専門家にしかわかりません。建築士はその建物に関わる法律的なものを得意としています。

建物の法律的な大事な手続きに
作る前に図面を法律的に確認する「確認済証」
完成後に図面通りできたか役所等により最終確認される「検査済証」があります。
基本的に全ての建物はこれらの書類が無いといけないことになっています。

特に「検査済証」の無い場合、最終的に合法的に建てられたと証明できなくなります。その後の法律に関わるリフォームや増築を合法的に行うには困難になってきます。

残念ながらこの「検査済証」制度は以前からあったにもかかわらず平成10年まで7割の建物が「検査済証」が無いく、最近になって回復している状況だと言います。

多くの建物が「検査済証」の無い当時を考えると悪質であると言うよりも自然な流れだったのかもしれません。申請を通して現場が始まりお客様の要望が変わることは良くあることで、できればそのようにしたいと誰しも思うわけです。「検査済証」を取るために再度図面を描き直し申請を取り直す費用をお客様に請求するよりも黙認した可能性もあります。

また「検査済証」が無いことによるペナルティーがあまり感じられなかった時代だったことも大きく影響していると思います。

「法律的」内容に無知であればグレーゾーンでやってしまうこともあるかもしれません。国としても建物を長く使ってもらいたいという方針があるので「検査済証」の無い建物に対する救済方法を設けていますが。合法的に戻すにはかなりの調査費用を要します

http://www.mlit.go.jp/common/001046527.pdf

再度増築等を行う時にそれ以上の費用が掛かるので都度費用は掛かるかもしれませんがその時その時で「法律的」手続きをした方が建物を長く使う場合賢い選択です。

その費用を想像した時点で設計事務所はお断りしているケースもあるかと思います。この様な背景があるので安易に可能だから優秀という判断は注意が必要です。実績があるから安全とも言い難く過去の姉歯氏も不可能を可能にし、優秀な方だと思われて多くの仕事を受注していました。

「検査済証」が大切だと分かったあなたは不動産を購入する際、迷った場合にはこれらの知識が良い物件を選ぶのに役に立つでしょう^^

※リフォームには法律的手続の有無の確認が必要です。

---並里義明建築研究所/ AYN---
http://namizato.jp

悩ましいリフォーム事情、良い物件選び。




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Posted by 並里義明建築研究所 at 15:51│Comments(0)家づくりに関する知識
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