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2022年08月27日

運命で結ばれた「沖縄」と「鉄筋コンクリート建物」

本日はヘリテージマネージャー講習会でした!
色々ありまして、今回が初の出席。非常に楽しく勉強させていただきました。私の勉強不足もありますが興味津々な情報が満載。

平良啓、森下愛子、中本清氏を講師に招いて行われました。

沖縄で建築に携わっていてもなかなか聞くことのできない情報が多くありました。全部紹介したいぐらいですがネタバレするので知識は受講者の特権ということで^^

歴史建築物の修復、保存、活用に携わる実務の内容は貴重な情報です。また沖縄建築出発の歴史及び業界史ともいえる内容を紹介していただきました。

その中で衝撃だった内容を一つ紹介します。

始めに沖縄が何故鉄筋コンクリートなのか?と問われると、台風や多湿に耐えられることと、米軍の影響と今まで答えていたのですが。もっと深い理由の存在です。

旧大宜味村役場は沖縄最古の鉄筋コンクリート造で1920年に建てられています。その際の鉄筋コンクリートの選定理由に驚いたのです。

「沖縄では砂や砂利は豊富に入手できるので、鉄筋コンクリート造は建設費が木造に比較して高価であっても、地元に残るお金も多く、必ず地域のためになると判断」
「風に立つ石塔 風土建築家・清村勉伝」2016年より

この話が戦後の鉄筋コンクリート米軍住宅普及後なら話は理解できます。彼が判断したのは戦前で3ヶ月の調査後に判断しています。当時特殊、最新な工法だとされただろう鉄筋コンクリート造です。理由として白蟻、台風被害の甚大さ、木材が県外からの輸入に頼っていることにあります。

この当時で地産地消的な地域経済まで視野に入れた選定には驚かされるばかりです。その20年後、戦争を終え、県内建設業の発展を支えたのは良好な経済循環が起こるべくして起きたからかもしれません。

以前にも話しましたが、公共建築の木造促進に関する法律は県外主導、林業発展が主な理由だと思われます。裏を返せば沖縄には沖縄の判断が必要だと歴史も訴えているように見えました。

沖縄最古の鉄筋コンクリート造で知られる旧大宜味村役場。昨年単独で見に行ったのですが入れなく残念でした。今回名刺交換させていただいた講師の森下愛子氏(大宜味村教育委員会)を先に知っていたら入れたかもですね^^
後日のヘリテージマネージャーの現地講義で詳しく紹介されるようで楽しみです^^


並里義明建築研究所/ AYN Architect Yoshiaki Namizato
http://namizato.jp


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Posted by 並里義明建築研究所 at 20:12│Comments(0)AYN建築デザイン的観点
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