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2022年10月09日

"昨日は第6回ヘリテージマネージャー講習会^^

今回の会場は旧大宜味村役場!場所は遠いく許田ICを出ても40分程度かかる場所で、名護を超えます。

今回は
大宜味村教育委員会教育長 米須邦雄
元県工業高等学校 建築家 教員 木下義宜
大宜味村役場教育委員会主事 寄合龍己
を講師に招いて行われました^^

場所が旧大宜味村役場と言うこともあり、全て関連する内容となっていました。
過去の講習会の関連した記事を書いています。
https://namizato.ti-da.net/e12315206.html
鉄筋コンクリート造でることが特筆すべきことで、県内の鉄筋コンクリートの歴史を合わせて学ぶことができ、大変勉強になりました。

個人的に興味深かった内容を書きたいと思います。

米須先生が大宜味村の歴史を色々と紹介する中で旧塩屋大橋の話が出てきました。
http://www.dc.ogb.go.jp/hokkoku/yan_koku/05fukki/112.html
この橋の廃止、解体に伴い、解体式など異例な式典を開いたそうだ。この橋には村民の喜怒哀楽が凝縮されていると言うような内容でした。村民にとっての生活インフラであり、遊び場であり、誇りでもあったと思います。
そろそろ100年を迎える旧大宜味村役場も何かできたらと話されていました。村民の当該建物への誇り、敬意を知ることのできる話が多くあり、設計者である清村氏のお孫さんと、施工者の娘が時を超えて式典に参加された話もあり、興味深いものでした。

続いて、木下先生の講義ですが、昔から名前は憶えていましたが、二十数年の時が経ち今回やっとお会いすることができました。
学生時代の恩師である山城一美先生は現在沖縄県建築士会の副会長をされていて会場にいましたが、当時登川にある木下先生のご自宅を一緒に見学させていただきました。設計を「建築設計同人 匠才庵(しょうさいあん)」が行い色々な当時の風土要素と素直な材料の使い方が凝縮されたお宅で、学生の頃、手書きでトレースさせていただきました。
当時の無知ながらに学びが多くありました。

私の沖縄での鉄筋コンクリートの歴史観は浅はかなものであることが講義を受けてよく分かりました。

沖縄海洋博の時期の建設ラッシュの時期に海砂を大量に使用したことによって建てられた鉄筋コンクリート造が早く寿命をむかえ、使い物にならない状態になった話はよく耳にします。これは鉄筋コンクリート造の印象を著しく失墜しました。

この話は当時まだ技術が成熟しておらず全国でも比較的鉄筋コンクリートの多い沖縄が先進で誰も海砂を使用することによる弊害を認知していなかったと思っていた。

しかし戦争の20年前の旧大宜味村役場では清村氏が塩分が大敵であることを認識していて砂の塩抜き作業を塩味が無くなるまで行った話が残っている。

そして、清村氏が県内で建てた鉄筋コンクリート造の校舎の数々。後に県内の多くの設計者がその手法を真似たと考えられる。私が卒業して25年以上前になる山内中学校、当時校舎が建替えられる時期で古い校舎が一部残っていた。教室と廊下のガラリ、白い塗装等清村氏が手掛けた内、紹介された伊是名小学校の内観を彷彿とさせるものだった。

寄合氏の説明の後、実際現場を色々と見て回り、説明をして頂きました。内部も確認することができた。県指定から国指定の文化財になっている訳だから凄いですね。

1922年に竣工した鉄筋コンクリート造。しっかり建てれば塩害の強い沖縄でも100年耐えることができることを立証する建物ですね。



並里義明建築研究所/ AYN Architect Yoshiaki Namizato
http://namizato.jp



昨日は第6回ヘリテージマネージャー講習会^^



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Posted by 並里義明建築研究所 at 11:22│Comments(0)AYN建築デザイン的観点
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