てぃーだブログ › AYN: › AYN建築デザイン的観点 › 待機児童と都市計画、集合住宅施設論、育児転職  
過去の記念動画連続再生

2016年03月27日

待機児童と都市計画、集合住宅施設論、育児転職  

待機児童の話が今問題になっています。都市部になるとその過密に反比例する形で保育所は遠のいていきます。つまり地価が高騰すればその地域での保育所の運営は厳しいと言うことです。これは人が集まれば集まるほど困る仕組みになっています。マンションも高層化し、その面積に占める住人の多さはますます保育所不足を悪化させます。人が集まる場所では騒音の苦情も多くなることでしょう。
 
1929年にC・アーサー・ペリーの発表した近隣住区論というものがあります。これは小学校を単位として大きな幹線道路が囲み、その中に適当な量の公園、レクレーション、教会、コミュニティーサンター等を配置する考えです。
 
しかし、大都市となるとそうもいきませんそれは高層建築物が昔より比較的簡単に建てれることで起こる巨大なマンションによる急激な人口増加です。
 
日本にいるとあまり実感がわかないのですが日本は世界一のメガシティーです。かつてはイギリス等の先進国から学べばよかったものの先頭であるいま新しい都市システムを考案する必要が出てきているのかもしれません。
 
そんなことを考えて思い出したのが20世紀の3大建築家の一人であるル・コルビジュエの考案した「輝く都市」。これは300万人の現代都市を想定しているのですが、色々学ぶことがあるような気がしました。ちなみに沖縄でよく見かける一階駐車場の建物の源流は彼によるものです。
 
彼の考えを実践したものとしてフランスのマルセイユにあるユニテ・ダビタシオンと呼ばれる集合住宅がある。この建物のユニークなことは店舗や郵便局、屋上には保育所、体育館にプールやランニングのできるトラック、屋外で映画の見れるスクリーン等がある。これらは私たちのイメージする市民級の規模ではなく、あくまでそのアパートに住む人たちが使える規模に留めている。
写真は2003年にそのユニテ・ダビタシオンを撮ったものです。
 
彼が目指したのはこの建物自体で小さな都市をつくると言うものです。近隣住区は都市規模での計画でしたが建物が上へ伸びるのに伴いより拡張性のある大胆な発想が必要となります。「集合住宅施設論」のような例えば100階建てを超えるマンションに備える施設の設置義務という項目があり、保育所以外にこれから不足すると思われる施設も含め義務化されると言うものです。育児休暇ではなく同じ建物内でその間育児転職として保育所で働くのです。

Presented by AYN設計

待機児童と都市計画、集合住宅施設論、育児転職  



同じカテゴリー(AYN建築デザイン的観点)の記事
俺の鼓動早くなる!
俺の鼓動早くなる!(2024-03-16 23:06)


Posted by 並里義明建築研究所 at 14:43│Comments(0)AYN建築デザイン的観点
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。