たかが砂、されど砂、JASS、JIS規格

並里義明建築研究所

2018年03月31日 10:22

私たちの社会は色々な検証を経て確実なものを安心して使えるからこそそれらを転用してまた次へと発展ができるのです。

ファーストフードでも昨日と今日、明日も、北海道でも沖縄でもベルギーでも同じものが提供されるから安心して購入します。

日本の建築はJASSまたそれらの工業製品はJISが中心となり色々な規格が存在します。部品の規格、その材料の試験の規格と多くの規格から構成されています。
JASS 日本建築学会 建築工事標準仕様
JIS 日本工業規格

コンクリートで使用される砂は砂場の砂ではなく品質が確保されたものが使用されます。近所の公園の砂とは話が違います。代表的なものに塩分、密度、水分、大きさがあり、大きさも単純ではなく何mmのものが何%というふうに砂の粒の大きさのばらつき、その割合も規定されます。学生の頃それらの実験を行い骨材作りから教えられました、詳しい理論はさておきコンクリートって簡単じゃないことはその時に教わりました。DIYで庭で作るものとは違います。

コンクリートはセメント、砂利、砂、水を混ぜることにより作られ、砂利と砂を合わせて骨材と言います。コンクリートの調合も綿密な計算をもとに行われ、安定した品質を保つことで想定される強度を発揮し、構造計算で求められる安全性が確保されます。

工事現場でコンクリートを簡単そうに工事してますがコンクリートは計量、調合されコンクリートを流すまでの時間が決められています。料理以上の厳密な計量、調合、運搬、打設(コンクリートを流す)が多くの技術者によって支えられています。

しかしすべてが高度化して、安心に慣れてしまいJISと表記されるだけで大丈夫としてしまう怖さも同時にあります。大臣認定が過去に問題があったように大丈夫と言うものを本当に大丈夫なのかな?とか先人たちの作り上げてきた完ぺきに見える規格に対して一体どんな検査をしているのだろう?この検査で大丈夫なの?と疑問を投げかけることが技術維持にも繋がるような気がします。

細かく調べることは時間がかかりますがそこに建築工学の面白さもある気がします。

並里義明建築研究所/ AYN Architect Yoshiaki Namizato
http://namizato.jp



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