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過去の記念動画連続再生

2021年07月05日

ワールドトレードセンター第7ビル陰謀論の否定とチューブ構造の教訓

基本情報
北、南タワーそれぞれ
激突火災から崩壊の時間1時間40分、1時間
崩壊速度8秒、10秒

●陰謀論の概要
(陰謀論の中には衝突後10秒で崩壊など事実をそもそも理解していないものもある。)

1988年ロサンゼルス3時間、2004年ベネズエラ17時間、2005年マドリッド20時間。
いずれも崩壊には至っていない。

これらの崩壊のスピードが不自然だということで色々なもっともらしい疑惑が結び付けられている。

さらに最大の謎、ワールドトレードセンター第7ビルの40階建ての崩壊。建物の位置も離れ外傷がほとんど見られないにもかかわらずツインタワー崩壊の8時間後に崩壊した。

トレードセンター爆破陰謀論(第7ビルに関しては17:40)
https://www.youtube.com/watch?v=WHI28jM1mKg

建物の強さを知っているが故、私も何らかの力が働かないとこのような壊れ方はしないという考えがあったので不自然だとずっと思っていた。特に上の動画だけを見ると説得力がある。

先日マイアミの12階建て集合住宅の崩壊のスピードを見て、建物が下へ向かい綺麗に、しかも速いスピードで崩壊している様子がとらえられていた。爆破解体でなくても早く、しかも真下へ落ちる崩壊。

●陰謀論の最大の謎の否定

この第7ビルに関する専門家の検証が作成されているはずだと思い探してみると、すぐに見つけることができた。
https://www.youtube.com/watch?v=PK_iBYSqEsc


その内容は上の陰謀論動画で説明されている公式見解「タワーの瓦礫による損傷と火災によって崩壊した」と同様にまとめることができる。

内容が専門的であるため上の説明は適切。もう少し噛み砕くと、一部のフロアの7時間の火災が床と梁一体構造、根元の接合部を弱め。床が落ち、下の階までそれは連鎖的に発生他の中央部の柱も連鎖的に崩壊。中央の支えの無くなったチューブ構造の外壁は内側へ座屈崩壊した。

火災が起きて1時間半程度は耐火被覆によって強度低下は防げるとされている。崩壊した北タワーの例では中央コア柱の40%程度が激突で破壊、27%は耐火被覆が剥がされたとしている。 https://www.youtube.com/watch?v=CCBSUj84eIk


●教訓
タワーと第7の共通点として
チューブ構造であり鉄骨造。中央部に柱が集中している。
第7ビルに関して梁は合成梁でコンクリートと一体でないと床支えることのできない梁。興味深いのが熱による鉄の膨張床との一体性が失われ、鉄そのものの温度による強度低下より先に起こる強度低下要素。

不運な内容として
タワーの崩壊により一帯の水道インフラが破壊され、第7ビルに関してはスプリンクラーが作動せず7時間も火災が続いた。2つの巨大なタワー崩壊で多くの消防士を失い、離れた10階だけが燃えている第7ビルをほとんど対応できなかったことは想像できる。他に被害が大きく見える建物があったからだ。
第7ビル検証動画のまとめではこれらの建物に類似したロングスパンや崩壊した建物に類似したもの(チューブ構造)に関して警告を鳴らしている。

●最後に
9.11で稀と言われた「落下するような破壊」がマイアミのビル崩壊で起きた。ラーメン架構による水平抵抗できる建物であれば話は変わったのか。これらの共通点が気になる。

"


並里義明建築研究所/ AYN Architect Yoshiaki Namizato
http://namizato.jp


ワールドトレードセンター第7ビル陰謀論の否定とチューブ構造の教訓




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