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2016年10月03日
沖縄の台風の破壊力
最近なかなか台風が直撃しない沖縄本島ですが2,3年すると脅威を忘れてしまうもの、沖縄では空っぽになったタンクが飛ぶ被害もあり注意が必要ですね^^ 日頃重いものが軽くなってるものは要注意です。建物を台風から守るためにはどのくらいの力が必要なのか見てみましょう。^^
沖縄県での大半のケースは1㎡に155kg耐えるようにすればOK。建物の部分を見た場合には局部に異常な力で建物から外壁鉄板、瓦等を引っ張ろうとする力がはたらく。一番強いケースは勾配が20度の三角屋根天辺の両端で1㎡あたり334kgも引っ張る力がはたらく。(例であり厳密には色々な要素から決定され、ビルのように高く、海に近くなればそれだけ強い力が設定される)
県内の8割は比重の大きい鉄筋コンクリート造なので台風で倒壊する恐れはない。しかし道具小屋、簡易建て看板、不安定な鉢、ブロック塀、日曜大工による建築申請もいらないようなものが被害を受け、これらが二次災害を引き起こすこともある。
建築基準法施行令87条に風圧力に対して対策を講じる旨が記されているが。実際に風の力を算出し、理解するには建設省告示の難解な内容を知る必要が出てくる。旧基準とは桁違いに理解しにくい。内容が難解なのはそれだけ風の性状が複雑だということを教えてくれる。それらは風洞実験により研究された結果である。
風の力は全国一律ではなく平均風速と呼ばれ地域別に30から46m/sの値が割り振られている。沖縄は最大の46m/sで全国的にも最大の対策が要求されている。最低の地域との差は1.5倍程度のように見えるが風圧力は平均風速の2乗に比例しているためその差は実に2.35倍にもなる。
当たり前の話だが北海道、東北、中部、中国地方に多くの30m/s地域が存在するが、その地域と同じ木造や平屋鉄骨造を沖縄で同じものを作ろうと思っても2.35倍程度強くする必要が出てくる。物価や物流では分からない建物価格の変動要素がここにある。
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Posted by 並里義明建築研究所 at 18:24│Comments(0)
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