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2022年04月05日

柱とπ(円周率)の話 Part4

Part1からPart3
https://namizato.ti-da.net/e12190153.html
https://namizato.ti-da.net/e12190392.html
https://namizato.ti-da.net/e12192796.html

Part3では驚くべき発見をしました。
「弾性座屈荷重時のはらみ量は断面2次半径の2倍」
恐ろしい程にシンプルな内容。他ではあまり見た事無いので大発見ではと勝手に期待。

しかしながら、これは弾性座屈荷重時からの逆算で、結局、境界条件で何が起こっているのかいまだによく分からないので今回のPart4となります。

今回の狙いは「軸変形」と「曲げ変形」の変化の関係が弾性座屈荷重を決定させているのではないかと言うものです。

条件はPart3と同様、材長π、材軸方向に加力P、はらみ曲線はaSinXを描く。
まず微分し、x点での材軸の傾きaCosXを求め斜辺成分を出す。これらをもとにx点での曲げモーメント及び軸力M(x),N(x)を用意する。

図で言うδ、水平変位は曲げモーメントによるものと軸方向力によるものによるものに分解でき、δM、δNとする。

これらを求めるためにSinカーブの半分0からπ/2までの水平変位m/EI, n/EA
を導きそれらを2倍する。

問題はmとnの積分だ、式が複雑になることが予想されるので定積分とし値を代入した式を算出した。以下のサイトに入力し、はらみ量aと荷重Pを含む式が得られた。
https://ja.wolframalpha.com/

mに関してはEIを変形し、断面2次半径iが変数となるようにした。Part3でのiとaの関係の確認も含め好都合だと判断した。

変位は(Pπ/EA)を単位としている。1.0は長さπ、はらみaが0の材軸加力Pの変位Pπ/EAとなる。

δMは断面二次半径iを変数としているので適当な値、細長比100程度になる0.03として、はらみ量を0.001から0.001ずつ増加させδM、δN、その合計δを算出した表は適当に抜粋している。

軸力変形に対する曲げモーメントによる変形の割合を示すδM/δNも算出した。はらみ量aが小さい時には0%ではらみ量が大きくなるに従い曲げモーメントによる変形量が支配的になるはらみ量aが0.042あたりで100%近くになり曲げ変形と軸変形がほぼ同じになり、はらみ量が材長の3%程度の0.1では500%を超え6%では2000%を超え支配的になる。

前回のPart3で発見した断面二次半径の2倍が弾性座屈荷重時のはらみ量となることを前提に見ると。今回はではこの赤色の部分でその部分では驚くことにちょうど200%となっている。この傾向は断面二次半径を変えてもその値の2倍となるところで200%を示すことを確認している。


式があまりに複雑な過程を経てこの様にぴったりとなるのは式から当たり前なのかまだ整理が付いていない。

今回の狙いである「軸変形」と「曲げ変形」で、全く座屈しない時に同等の変位を与える荷重Poと今回のδの変位を与えるPとの関係は1/δで見ることができる。

注目したいのが断面二次半径の2倍がはらみ量となっている部分が座屈荷重時だと想定しているのでその時にP/Poは0.3337ちょうど1/3となっていることが分かる。この意味ははらまず軸圧縮している荷重を1.00としたら弾性座屈荷重時に荷重始点の同じ位置で横にはらむことによって0.33の反力しか無い。今まで1.00で押していたのだからさらに変位が進む。

当初の想定では軸圧縮が突然はらみ弾性座屈荷重が与えられることになっている。そうするとこの200%に至るまでのはらみ量aは現実には存在していないのだろうか。そうなのかもしれない。

直線から徐々に曲がるのではなく、今回はaを勝手に決めて曲がったカーブを想定して、荷重Pを与えたときの変位を確認しその中の弾性座屈荷重時の状況だと思われる部分に特異な状況が無いかを探っている。

「座屈荷重時には曲げ変形が軸変形の2倍、その状態は圧縮反力がはらむことによって1/3に下がるような反力変化が生じる」がPart3を前提にすると確認できる。現段階では200%と言う切れの良い数字と言うだけで、何で座屈の境界条件が生まれているのか理解できなかった。

断面の核と関係しそうだけれど関係式は導けていない。改めて何でしょうねこの荷重は。


並里義明建築研究所/ AYN Architect Yoshiaki Namizato
http://namizato.jp


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Posted by 並里義明建築研究所 at 21:52│Comments(0)柱とΠ(円周率)の話
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