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2023年03月05日

昨日は第14回ヘリテージマネージャー講習会でした。

本日は公益社団法人、文化財建造物保存技術協会 田村琢氏を講師に招いて行われました。

ネタバレもありますので写真も程々、内容も程々でお伝えします^^
良い天気で会ったことに感謝です^^

まず建物の概要を説明しないと始まりません。以前テレビ報道で見掛けた津嘉山酒造所で、いずれ行ってみたいな~程度の印象でした。今回はそこが講義の舞台。

有形文化財に指定された建物となります。1932年、昭和7年頃の建物となります。
歴史
https://www.awamori-kokka.co.jp/hpgen/HPB/entries/31.html

今からは想像できない程の荒れた状態だった様です。屋根も崩れ、雨も滝のように流れ、廃墟となった建物。古さから当然です。

棟札には棟梁:金城徳三郎、設計者:島袋純一、家主:津嘉山朝保。当時で設計者と記載されているのが印象的でした。設計者として当時沖縄ではめずらしい日本風の様式や工場等のスパンを飛ばす技術に影響を与えたのでしょうか、興味深いです。

文化財になったことで、保存修理工事が行われました。
今回の講義はその実務的な内容でした。が、営業時の状態復元と更に耐震補強です。

基本方針として、補強は鉄骨フレームをコアとして屋根裏の目立たないところで平面剛性を確保し、外周の見え掛かりの鉛直部材には補強している印象を持たせない方針の様でした。

コアの確保できない麹屋(こうじや)部分に関しては斜材を木で挿入して補強を目立たせないという戦略です。

麹屋に関しては損傷がひどく、完全に解体し、基礎を上げ、木材補補強し、再度復元、補強斜材は見え掛が多いこともあり木斜材挿入し、既存の材に穴を開けることなく装着されていました。文化財の耐震補強に関してとても参考になる建物だと思います。

感想として、建物に鉄骨で補強するのは良い印象が無かったのですが、本件に関して、正直気付かないほど上手く補強が施されていて驚かされました。もちろん鉄骨は見えます。しかし、配慮されているということです。

田村氏が将来目に言えない補強材があれば非常に楽だと話されていました。私は何となくセグウェイ等の人を転倒させない技術があるのだから、将来的に高性能なジャイロ搭載制振装置もできるのだろうと勝手な期待。文化財の耐震補強の設計に参考になる建物でした。
費用的には文化財だからできるという部分はもちろんもあります

観光客も来ているようで、このような歴史的な建物がよみがえっていることに感心しました。

言いたいことだけ端的ですが、今日はこの辺で^^

並里義明建築研究所/ AYN Architect Yoshiaki Namizato
http://namizato.jp


昨日は第14回ヘリテージマネージャー講習会でした。



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Posted by 並里義明建築研究所 at 22:52│Comments(0)ヘリテージマネージャー関連
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