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2022年03月21日

柱とπの話

建物や構造物は柱等の圧縮材が支えています。
1mの高さで支えられていた柱の大きさをどんどん長くしていくといずれ弱い力で壊れることは想像つきます。一般に言う細長いものは上から押される力に弱いということです。

細かい話は置いて細長い圧縮材は一般的に画像の式が基本となっていて、壊れる力、座屈荷重が与えられています。
Wikipedeia座屈より

この式の面白いのが材料の強度に関係せず柔らかさ(ヤング率)や形で荷重が決まるということです。ちょっと専門的になりましたが、、

もっと面白いのが形に関係なくπが登場することです。(細長比で断面二次半径が使用されますがそれとも全く関係ありません。)微分方程式を解く過程で三角関数が登場することが理由です。面白いですね^^

更に面白いのがこの荷重がかかった状態を綺麗に説明できているものが探せないのです。皆曖昧、または独自の解釈で大きなたわみ状態などとの説明もあります。座屈現象自体複雑で良く分からない部分も多いからだと思われます。

この荷重がかかった状態を導き出すのに横方向への変位(たわみ)の関係から微分方程式を立ててからスタートしている。しかし、最終的にどのくらい変位したのか求めることができない全く不思議な状態です。

最初断面の核と呼ばれる部分に重心がずれる程度かとも独自に思ったのですがそうでもなさそうです。

荷重が決定された以上、破壊するだとか、変位が許容限界だとかでも無いのです。

微分方程式が成立している以上、フックの法則、平面保持等基本条件を満たす弾性領域で少しも横にずれていない状況に近いのではないかと自分的には行きつきました。

微小でもたわみがあると微分方程式が成立し、その後たわみを制限するものが何も無いのですから。

この決定された荷重が何なのか?それは微小に横にずれ始める微分方程式の成立する初期状態のことを指しているのではないでしょうか。

丸い柱はどの方向に曲がるか、長方形だと右に曲がるか左に曲がるか。どんなに中心に精密に配置しても起こる座屈現象はカオス理論的な部分があります。

凄いのがこのオイラーの式理論式は実験と重なることが知られているようで、天才としか言いようがありません。


並里義明建築研究所/ AYN Architect Yoshiaki Namizato
http://namizato.jp

柱とπの話



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Posted by 並里義明建築研究所 at 23:54│Comments(0)柱とΠ(円周率)の話
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