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2022年04月25日

柱とΠ(円周率) Part6  基本に戻る。 

Part1からPart5(誤ってPart5を4としてます。)
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(ここでの内容: 座屈は弾性座屈、はらみは圧縮材の材軸に垂直なたわみ。)
弾性座屈荷重直後のはらみは少しずつの増大ではなく突然ある値を取るや否や変位の増大は曲げモーメントを増大させ、変位は無限大に大きくなると解釈されている。

しかしながら少しずつ大きくなる梁の荷重と曲げ変形と異なり、柱は突然ある一定の変形を示し、増大を続ける。この辺りがとても興味深い。荷重を0から増加させた場合、荷重とはらみは比例関係に無い。厳密に言えば座屈荷重において極端な増加傾向を示す。現実世界では偏りがあることによって座屈が生じるのでそのような言い方になる。

私がずっと疑問に思っていることは弾性座屈荷重と言う値の前後でどのような変化がその具体的な値を決定しているかです。

微分方程式で導かれているのでつり合いがあるはずだと考えた。オイラーの座屈荷重の公式をいくら見ても答えは出せなかった。

基本に戻り微分方程式の条件等から整理する。

厳密には圧縮による曲げ変形が発生した時点を想定した式を基に導かれている。また、材の端点距離は一定で、はらみによる下がり軸変形も無視された状態だとわかる。変位が大きくなり曲げ破壊するか、力点が地面につく。

オイラーの座屈荷重のΠはその整数倍で成立する。その値だとどうなのか、よく考えてみたらやはり何かが釣り合っている条件式だと改めて解釈できる。その値と異なる場合はどうなるのだろうと考えた。値が大きいと変形を続ける。

その値以下だとどうなるのか、圧縮変形。座屈荷重は座屈モード(曲げ変形)に切り替わる境目だということが分かる。

やはり疑問に思うのが現実世界で偏りや材料の不均一による座屈は理解できる。しかし、偏りや偏心も入力されていない式から何故値が決定するのか。これが一番気になるところ。逆にその荷重以下では座屈が発生しないと言えるのか。

ここからは推測ですが、答えは「言える」だと思います。

それはその値以下では直線に戻ろうとする力が強いため、その値以下では曲げモーメント減少、変位減少に循環し、はらみはゼロになります。その領域でのはらみは存在しないのです。

そう思ったのは式の組み立てをずっと眺めていると思いつきました。オイラー座屈荷重の微分方程式は図の左の様に次のようなものが基になっている。

y’’=-(P/EI)y

加力Pにより与えられたときにyで微分方程式が釣り合っているので、(P/EI)を少しだけ大きくしてみると等式が崩れy’’が大きくなり増加循環になる。逆に小さくした場合にはyが減りy’’が減少循環になることを示す。

この式の意味することは、荷重がかかって横にはらもうとするとき、曲げ剛性によってはらみがゼロに復元するか、はらみが増大するかの分岐点の条件を意味しているのだと思います。

オイラーの座屈荷重の説明ではよく座屈後のたわみで微分方程式の説明を示している図があることがそもそもの混乱の始まりだったかもしれません。図左。

総括

Part3では軸変形を考慮し、はらんだ後は軸変形が考慮されていない矛盾点があった。しかし縦に縮む分にははらみ量には影響は少ないと解釈できる。そうすると座屈荷重に達したとき座屈モードになりはらみ量は断面二次モーメントの2倍から増加していく。

Part4では座屈モードに変わるような条件は曲げ変形が軸変形の2倍になるような時だとした。座屈モードに入る時の条件の様な気がしてまだ気になっている数字です。
Part2でも出た2倍やここでの2倍は実務的でない極端な値を取ると2でないとが分かった。例えば、Part4の例だとはらみaが小さい時にのみ2になっていることが分かる。同様にPart2でも実務とはかけ離れた細長比やはらみ量等でなければほぼ2倍と言える。


難しく軸変形の話だとか色々考えましたが、結局オイラーの座屈荷重が軸圧縮を考えずシンプルな曲げ変形が増大するか縮小するかを基にしている。そのことを考えると軸変形も考慮した上の検討は間接的にその座屈の状況を表している。



図左参照元
http://kentiku-kouzou.jp/struc-oirazakutu.html
図右利用サイト
https://ja.wolframalpha.com/



並里義明建築研究所/ AYN Architect Yoshiaki Namizato
http://namizato.jp


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Posted by 並里義明建築研究所 at 23:20│Comments(0)柱とΠ(円周率)の話
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