tanθをθで近似。何故。
工学で扱われることの多いこの近似。θが小さい1度以下の時にはtanθをθで近似と言う話が出て来る。建築で扱う比較的大きな角度は問題無いのか疑問になる。sinも同様の内容ですがtanで検証してみます。
正直理解しないまま適当に扱っていました。微分や極限で登場する近似も根拠抜きに進むことが多いと思います。tanθがいくら小さくともいきなりtan外して角度で表示は無いでしょ。雑だな~と思っていました。
1度以下の時の根拠も分からない、では1度の時にどのくらいの誤差が出るのかを検証するのが今回の目的です。興味深いですね^^
まず重要な事項として、三角関数で扱う角には360度の度数法と2πの弧度法があります。近似の対象としているのはあくまで弧度法だということ。
点Oを中心とした半径1の円
x軸と円の交点A
A点からの垂線とx軸より1度の線の交点B。
線分OBと円の交点C
1度の時tanθは線分ABの長さに等しくなり0,01745506
1度の時θradは半径が1なので弧ACの長さに等しくなり0.01745329
近似することにより99.9898%に減る。十分な近似と言えます。
1度は0.01745rad。建築で扱う層間変形角としては1/57程度。
木造の場合には1/30以下に抑えると言う内容もあり、近似適用外だろうか。
ちなみに2度の場合は近似により99.9593%に減るがそれでも十分に近い。
結論としては扱う角度が比較的大きな建築でも適切な近似だと言えます。
並里義明建築研究所/ AYN Architect Yoshiaki Namizato
http://namizato.jp
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