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2016年01月16日

建築は4次元の世界を操っています!

私たちの日頃目にする次元には長さ1次元cm、面積2次元c㎡、体積3次元c㎥があります。
実は工学系では4次元の単位も扱うのです。今回はこの不思議な単位を紹介します。
 
単位はcm⁴で、「断面二次モーメント」と呼ばれ、曲がりにくさを表します。数字が大きいほど曲がりにくい性質があります。断面二次モーメントは材質に関わらずその形で決定するものです。例えば3mの間に板を架けて中央にひもで何かをぶら下げるとします。その時になるべく曲がらない板を選択しなければいけません。幅(b)x高さ(h)で、Aは10x20cmでBは70x10cmの二つの板があった場合あなたはどちらを選択しますか?
 
断面二次モーメントは
諸面積 × 
その中心から図心までの距離(モーメント) x 
その中心から図心までの距離(応力度の比例関係)
なので4次元になり、積分を用いてこれらを算出するのですが長方形断面ではこれらを元に公式があるので便利です。
 
幅(b)x高さ(h)として
断面二次モーメント = b x h³ / 12
 
で求めることができます。A,Bの材料について求めてみます。
A=6667cm⁴
B=5833cm⁴
となりAの材料の方が曲がらないことになります。興味深いことにBの方が断面積自体は3.5倍もあるのに曲がりにくさに関してはAの方が良い性能であることが分かります。材料を多く使っても使い方次第では変形に対しては非効率となります。

Presented by 並里義明建築研究所/ AYN

断面二次モーメント



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Posted by 並里義明建築研究所 at 14:16│Comments(0)AYN自然科学AYN建築構造知識
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